・老朽化した基幹システムのフルスクラッチ開発プロジェクトのセカンドオピニオンを提供

・開発が予定よりも大幅に遅延・コストも超過している状況を受け、プロジェクト全体のレビューを実施

・プロジェクトの進め方や技術選定、ソースコードの品質に深刻な問題を発見し、改善策を提案

自社の情報システム部門とSESを組み合わせ、基幹システムのフルスクラッチ開発を進めていました。しかし、プロジェクトは当初予定された1年を大幅に超え、2年経過しても完成の見通しが立たない状況にあり、とりわけ以下の課題が顕著でした。

- プロジェクトの工数見積もりが大幅に過小評価されていた
- 「アジャイル」と称するも担当者が無計画に開発、実装画面でのヒアリングも未実施だった
- 使用されていた技術には脆弱性が多く、またフレームワークや共通処理の不備が多く見受けられた
- ソースコードの品質が非常に低く、可読性・保守性に大きな問題があった
- デザインガイドラインを作成しておらず、統一性がなく使いづらい画面となっていた

作成された成果物の評価と関係者へのヒアリングを通じて、プロジェクトの進行に潜む重大な問題を明らかにしました。そのうえで、以下のアクションを推奨しました。

- 工数の再見積もりと現行システムの正確な把握
- 設計ドキュメントの整備とアジャイル開発の再教育
- 最新技術の導入とアーキテクチャの見直し
- ソースコードのリファクタリングと共通化の推進
- 脆弱性の修正とセキュリティ強化

これらの提案に基づき、クライアントはプロジェクトの方向性を再検討し、予算面での調整を含む全面的な再計画を進めることとなりました。

今回のレビューを通じて明らかになった課題を克服し、プロジェクトの成功に向けた新たな体制を整備することで、長期的な運用に耐えうる高品質な基幹システムの構築を目指します。