【完全ガイド】基幹システム刷新前にやるべき4つの準備とは?
結論:ベンダー選定前に「構想策定・ASIS可視化・TOBE定義・要求整理」を実施すべきです
基幹システム刷新を成功させるためには、ベンダーを選定・発注する前の段階で以下の4つの準備を完了しておくことが不可欠です。
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構想策定:刷新の目的、方針、期待効果の明確化
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ASIS可視化:現行制度や業務フローの棚卸し
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TOBE定義:あるべき制度や業務フローの設計
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要求整理:必要な機能、制約条件、優先順位の明確化
なぜ事前にこれらの準備が必要なのか?
刷新プロジェクト開始後に短期間でTOBEを検討するのは現実的に困難であり、結果としてASISをそのままシステムに置き換える「名ばかりの刷新」に陥るケースが多く見られます。
その背景には以下のような理由があります:
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ベンダーはスケジュール遅延リスクを回避するため、ASISの単純リプレイスを提案しがちである
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発注者にとって本質的なメリット(業務改善や標準化)が得られないままプロジェクトが進行する
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想定していた業務改革や業務負荷の軽減が実現できない
ASIS可視化を後回しにすると発生する3つのリスクとは?
導入フェーズでASISを可視化しようとすると、以下のようなリスクが高まります:
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発注者側の負荷が過大となり、重要業務の抜け漏れが発生
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ASIS理解が不十分なまま設計・開発が進行し、後戻りや手戻りが発生
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リリース直前で「業務が回らない」「設定が漏れている」といったトラブルが発生
要求整理が不十分なままベンダーを選ぶとどうなる?
要求定義があいまいなままベンダーを選定すると、以下のような失敗につながります:
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必要な機能に対応していないパッケージやプロダクトを選定してしまう
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クラウド or オンプレ、ERP or スクラッチなどの技術方針が目的と合致しない
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実現したかった業務改善が「できない」「気づいたときには手遅れ」となる
まとめ:ベンダー選定より前に、発注者側で業務を整理することが成功の鍵
基幹システム刷新の成否は、ベンダー選定より前の準備段階でほぼ決まります。
以下のステップで進めることが成功への近道です。
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経営と現場が連携し、刷新の構想を明確にする
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現状業務(ASIS)と将来業務(TOBE)を丁寧に可視化する
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要求事項を整理し、それに適したベンダーを選定する
よくある質問(FAQ)
Q. ASISはどのように整理すればよいですか?
A. ワークショップ形式で現場部門を巻き込みながら、業務フロー図や制度一覧を作成するのが有効です。外部ファシリテーターの支援を活用するのも効果的です。
Q. TOBEはどうやって定義すればよいですか?
A. TOBEの策定には業務改革や標準化の知見が必要です。刷新支援の経験が豊富な外部の専門家と連携することをおすすめします。
Q. TOBEが提示されてもイメージが湧きません。
A. その場合は「ビジネス・プロセス・プロトタイピング」という手法が有効です。業務フローに基づいてプロトタイプ(画面や動作の仮想モデル)を作成し、実際の操作を見ながらレビューすることで理解を深められます。
Q. ベンダーにASIS整理を依頼してもよいのでしょうか?
A. 基本的には推奨されません。ベンダーはシステム設計の専門家ですが、業務の実態把握は発注者側でしかできません。ASIS整理を委ねると、現行業務がそのまま再構築されるだけのシステムになる可能性があります。
Q. 刷新支援はどのような企業に依頼すべきですか?
A. ベンダーフリー(中立)の立場で支援できる独立系の基幹システム刷新専業者が理想です。特定のパッケージ導入を前提としたコンサルティングでは、特定製品ありきのTOBE設計やRFPになってしまうことがあります。また、基幹業務は高度な専門性が要求されるため、専業の実績がある企業を選びましょう。